







貝は硬い殻で身を守ります。兜の装飾にはすべて繁栄や保身などの願いが込められて作られており、この兜の前立てには帆立貝の仲間の「伊多羅貝」の装飾が施されています。鉄板を切り出し、金槌で叩き伊多羅貝の形に整え、そして兜の鉢の丸みに沿うよう形成します。貝の放射状に広がる筋を彫金の魚子(ななこ)で表現。最後に金箔で装飾を施しますが、目を凝らしてみると、金槌を叩いた槌跡が残っています。
シンプルな𩊱(しころ)は日野根𩊱(ひのねじころ)といい、素懸(すがけ)の紺糸で威すなど、時代考証も捉えております。
じっと目を凝らし兜を眺めていると、甲冑師が奏でる金槌の音が聞こえてくるようです。目で愛でる兜飾りですが、耳でも愛でることのできる桂雛の甲冑飾りです。
※手づくりのため柄行や色調などが画像とは異なる場合がございます。
※屛風や飾り台など装飾品を含めた価格になります。
寸法:間口40㎝×奥行32㎝×高さ24㎝