別所実正作 四号 透し唐草金物 阿古陀形星兜
(すかしからくさかなもの あこだなりほしかぶと)
「美は、線に宿る。」
この甲冑師の作品を前にして、そう感じました。大胆でありながら繊細。伸びやかな鍬形の曲線は、空間に余白を描き、見る者の視線を導きます。
洗練された設計と、計算された均衡。重厚でありながら軽やか。装うというより、彫刻のように佇む兜です。
丸みを帯びた阿古陀鉢が印象的な、格調高い星兜。
ふっくらとした阿古陀形の鉢は、柔らかな曲線の中に確かな存在感を宿し、落ち着きと風格を漂わせます。
吹き返しには、亀甲花菱文の鹿革印伝を使用。
整然と連なる文様が品格を高め、細部にまで心を配った意匠美を物語ります。
前立や金具には、彫金技法を駆使した透かし唐草文様。
生命力あふれる唐草が優雅に広がり、金の輝きの中に繊細な陰影を描き出します。
力強さと優美さを兼ね備えた、工芸としての完成度の高さが光ります。
屏風には、薄香色と裏葉色の二曲屏風を合わせ、双葉葵文を配しました。
穏やかな色調の対比が奥行きを生み、清雅な趣を添えています。
さらに、扇状に広がる飾り台が全体を引き締め、
造形・色彩・構成のすべてにおいて美と洗練を追求した兜飾りに仕上がりました。
凛とした佇まいの中に、繊細な技と意匠の妙を宿す一作です。
※手づくりのため柄行や色調などが画像とは異なる場合がございます。
※屛風や飾り台など装飾品を含めた価格になります。
寸法:間口50㎝×奥行31㎝×高さ51㎝