平安一水作 黒小札 赤糸縅 竹雀燻銀鍍金兜
(くろこざね あかいとおどし たけすずめいぶしぎんときんかぶと)
「奇をてらわない。」
この甲冑師の作品を前にして、まず浮かぶ言葉です。
華美を求めず、流行に寄らず、ただ堅実な技と確かな素材に向き合う。
その姿勢こそが、美を自然に立ち上がらせる——まるで水が高きから低きへと静かに流れるように。
黒小札に施された赤絲の縅。
深みのある正絹の縅は、静謐でありながら確かな存在感を宿します。
燻銀鍍金が穏やかに光を受け、竹雀の意匠が気品を添える兜姿。
大鍬形の縁には丁寧な面取りが施され、光を柔らかく受け止めながら作品全体に奥行きをもたらします。
浅葱色の袱紗は、色彩の緊張をやわらかく解き、調和という物語を静かに語ります。
※手づくりのため柄行や色調などが画像とは異なる場合がございます。
※寸法:兜:間口26.5㎝×奥行21㎝×高さ38.5㎝